先日、IKEAに買い物に行きました。いつもは有人のレジに並ぶんですが、この日は何故か無人レジの列に並んでいて、案内されるまま使ってみましたが、結構簡単で便利なんですね。
セルフのガソリンスタンドができ始めてきた時は「サービスに慣れた日本の利用者がセルフなんて」といった声がいくつかありましたが、今では当たり前になったようにも思えます。イオンを始めスーパーでもセルフレジは増えてきます。
キャシー・デビッドソン氏(ニューヨーク市立大学大学院センター教授)の予測によれば、「2011年にアメリカの小学校に入学した子供たちの65%は、大学卒業後、今は存在していない職業に就く」んだそうですが、技術進化と共に仕事、そして文化はどんどん変わっていきます。
当然ながら日本政府もそうした事は考えていて、センター試験廃止というニュースで気になった方も多いと思いますが、11月20日に中央教育審議会で配布された資料の中にもこうした記述があります。
「今の子供たちやこれから誕生する子供たちが,成人して社会で活躍する頃には,我が国は,厳しい挑戦の時代を迎えていると予想されます。生産年齢人口の減少,グローバル化の進展や絶え間ない技術革新等により,社会構造や雇用環境は大きく変化し,子供たちが就くことになる職業の在り方についても,現在とは様変わりすることになるだろうと指摘されています。」
これによると、求められる力は「生きる力」であり、それは「豊かな人間性」「健康・体力」「確かな学力」を総合した力と言っています。なるほど、どれも大切な事ですが、ここでは「確かな学力」という点で読み進めてみます。
学力の三要素を、社会で自立して活動していくために必要な力という観点から捉え直
し、高等学校教育を通じて(ⅰ)これからの時代に社会で生きていくために必要な、「主体
性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度(主体性・多様性・協働性)」を養うこと、(ⅱ)
その基盤となる「知識・技能を活用して、自ら課題を発見しその解決に向けて探究し、成
果等を表現するために必要な思考力・判断力・表現力等の能力」を育むこと、(ⅲ)さらに
その基礎となる「知識・技能」を習得させること。大学においては、それを更に発展・向
上させるとともに、これらを総合した学力を鍛錬すること。
言葉を置き換えてみるとコミュニケーション力やロジカルシンキングや問題解決思考など書店のビジネス書籍コーナーで良く見られる言葉が浮かんできそうな記述ですね。
今の職場やビジネスパーソンの課題を早くから学ぶ事は悪い事じゃないし、この辺のスキルを持った方も今の会社には多いでしょう。しかし、さらに読み進めていくと、ちょっとどころか、かなりハードルが高い事が分かります。
教科・科目の枠を越えた「思考力・判断力・表現力」を評価するためには、個々の教科・科目の範囲にとどまらず、複数の教科・科目を教科横断的・総合的に組み合わせて出題することが必要。
※ 「教科を超える思考力・判断力・表現力」としては、たとえば以下のような力が挙げられる
・ 言語に関する思考力・判断力・表現力(読解力、要約力、表現力、コミュニケーション力等を含む。)
・ 数に関する思考力・判断力・表現力(統計的思考力、論理的思考力、図やグラフを描いたり読んだりする力等を含む。)
・ 科学に関する思考力・判断力・表現力(モデルをつくって説明する力、計画を立てる力、抽象化する力、大ざっぱに推定する力等を含む。)
・ 社会に関する思考力・判断力・表現力(合理的思考力、歴史や社会の問題を特定し、議論の焦点を定める力、矛盾点をあらわにする力等を含む。)
・ 問題発見・解決力(答えのない問題に答えを見出す力、問題の構造を定義する力、問題解決の道筋を文脈に応じて定める力等を含む。)
・ 情報活用能力(情報を収集する力、情報を整理する力、情報を表現する力、情報を的確に伝達する力等を含む。)
こうしたスキルを持ったからといって今は無い仕事に対応できる!とは言い切れないかもしれないけれど、確実にこうした教育を受けた若者がどんどん社会に出てくる訳です。
1.親御さんの職場に、新しい教育を受けた子供達が部下として入社してくる
2.今の子供達もこうした教育を受ける事になる
こうした事もしっかりと考えながら、来年度の教育計画を練っていきたいと思います(汗〜)。
参考:新しい時代にふさわしい高大接続の実現に向けた高等学校教育、大学教育、大学入学者選抜の一体的改革について